週刊 おしゃもじ☆パンチ 
おっとりスコと甘えん坊アメリカンカール。 仲良くおしゃもじのような手で猫パンチをしています。毎週月曜日に更新、4コマ漫画もあります。
すいません
少し更新が遅れます。私と猫たちは元気です。
レントゲン
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夫原病人の掃除日誌 最終回
今日はいよいよ退院です。
入院期間はちょうど5週間。
5週間・・・この5週間、私は埃にまみれ、ゴミと格闘し、あっちこっち修理や
工事の手配をし、体を使い、気を遣い(とりあえずデザートが飽きないよう毎日変えました)
洗濯物を持って行ったり来たり・・・。
筋肉はガチガチ、膝はギシギシ、めまい、口内炎、冷や汗、あぶら汗、生理も止まりました。
夫原病の症状は更年期障害に似ているそうです。

父の介護の時はこんなにつらくなかったのに。
やはりそこに愛があるかないかの違いなんですね。
おっさんとは相性が良くないとわかっていたけれど、細胞レベルでこんなに傷つけられるとは。
おっさんに全く悪気がないのがお互いの不幸です。

病室につくとおっさんはイキイキしていました。
入院した時よりだいぶ体重も増え、顔がつやつやしています。
松葉づえをつき、病院をあとにしました。
マンションのドアを開けるとおっさんはびっくり仰天。
「自分の家じゃないみたいだ」
「そうですよ。もうすぐ名義変更しますから私のです。では良いお年を」
おっさんも
「良いお年を」と返しました。もう会うことは無いでしょう。
ドアをポンと閉めて私の役目は終わりました。
明日から寝坊できるかな。



・・・あとがき・・・
ちょっとコミカルに書きましたが、本当はこの間、とんでもないことが次々発覚していたのです。
もうそれはそれは大変なことが・・・。
友達がいつも私に尋ねます。
「なんで離婚しないの?」
答えは一つ。
「遺族年金が欲しいから」




夫原病人の掃除日誌 その8
今日はNTTのフレッツ解除の工事。
作業員さんが来るまで部屋の掃除の続きをしていました。
作業員さんが来てちょいちょいっとケーブルを外し、パッパとタブレットで通信して終わり。
私は思わず
「パソコンもつなげてないのに契約していたんですよ。参りましたよ」とぼやきました。
作業員さんは部屋の様子を見て
「大学生の息子さんですか?だめなんですよ、お母さん。
一人暮らしを始めると羽根を伸ばしちゃって勝手なことしちゃうんですよ。
それでいて何かあったら親に払ってもらおうって寸法なんだから。
手を離れたら自分は自分、子供は子供って考えないといつまでも苦労しますよ。
最近こういうのが増えてるんですよ。つけたり外したり、工事費だってもったいない」

60過ぎた夫の不始末とはとても言えない。
(真実に気づかずにパッパと帰ってね)と念を送ると作業員さんは帰って行きました。

夫が入院してひと月。さあ、明日はやっとトイレ修理。
それが終われば、もう夫のマンションに寄ることもない。
体はいよいよ悪くなってきていて食欲もない。
体重はひと月で3キロ減。思わぬダイエット効果。
その代わり、猫たちの体重が増えてしまいました。
もし電車が止まったらと考え、出かける前にご飯をあげ、帰ると可愛いのでまた少しあげ。
二度寝や夕方寝をしている時にご飯の催促をされると眠くてたまらないので
枕元のタッパーに入れたご飯をあげ、ご飯の時間が不規則になってしまいました。
はあちゃんは6.4キロから6.9キロへ。ごめんね。また体が辛くなってしまったね。
あのおっさんが退院したらまた元通りの生活に戻れる。頑張ろうね。
呼び名は夫⇒おっさんへ。

翌日、トイレ修理のため朝早くおっさんのマンションに着きました。
そこにおっさんのマンションの管理人さんがいたので大量のゴミを出してしまったことを詫びました。
すると管理人さんは
「あなただったんですか、きちんと分別して紐でしばって。こういう奇特な人が・・・
いやいやちゃんとした人がいてくれるとゴミ捨ても楽になると喜んでいたとこですよ」と言ってくれました。
迷惑になってなかったんだ、良かった・・・。

さてこれからトイレの修理です。
業者さんはありったけの材料を用意して頑張ってくれるようです。
業者さんがトイレにこもり、数分後、真っ赤な顔で出てきました。
「すいません。どうしてもパイプが外せない・・・」
「外せないとどうなるんですか?」
「チェンソーで一か八か切断して水漏れしなければいいんですけど、ダメなら・・・」
「ダメなら・・・?」
「新しいトイレが用意できるまでバケツで流してもらうしか・・・」
「えっ?もうすぐ家主が帰ってくるんですけど、松葉づえついて」
「水で流すって無理ですよね?」
「重いから無理でしょうね」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」

もうどうしょうもない。
一か八かに賭けることにしました。
業者さんは車に戻り、ごっついチェンソーを持って来ました。
(触りたい・・・)
私は回る刃物を見ると手を出したくなります。いかんいかん。
ドゥイイイイイイイイイイ~ン!!!!!!!
ギュルンガリガリキィィィィ~ン!!!!!!
大変な騒ぎになってしまったのでお隣と管理人さんに詫びに走りました。
10分後。
「ふぁぁぁぁ~」と言う業者さんのため息とともにパイプは切断されました。
あとは水が漏れないようにありとあらゆる手と材料で尽くしてくれるのを待ちます。
「やったね!」
なんだか10歳若返ったような声が聞こえてきました。
一か八か作戦は成功しました。
これでおっさんが帰ってきてもつつがなく「大」が出来ます。
(なんでおっさんの「大」のため私が頑張ったんだろう)  頭が痛くなりました。
急な切断工事になったので料金は1万8900円でした。
でもこれでブツがついたままのトイレの掃除が出来ます。
(明日にしようっと)

病院に行き、トイレにまつわる全てを話しました。
すると夫は
「普通そんなにかかるか?慌ててるから足元見られたんじゃないのか?」と言いました。


次回は最終回です。








夫原病人の掃除日誌 その7
夫のマンションに将来、私が住めないとわかり、気分は地に落ちました。
業者さんに謝ってトイレだけ替えてもらうことにしました。
業者さんもいくらか元気がありません。
細かい見積もりを出すため、もう一度トイレの確認をして、四方八方に連絡をしていましたが
このトイレに合う既存の製品はなく、どうにか部品で対応しようということに。
おしゃれな作りがアダとなったようです。
もう二人とも昨日のテンションはどこへやら。

そこへまた廃品回収車の声が。
「ねえ、お兄さん、この辺のああいう車って信用できるかどうかって知ってますか?」
「いや~、詳しくはわからないけど、あんまりいい話は聞いたことないですねぇ」
「そっかぁ・・・。困ったなぁ、これがねぇ」
ちょっと途方にくれたポーズをしてみました。
業者さんは部屋に積んである金属の山を見て
「僕、手間賃だけもらえれば持っていきますよ」と言ってくれました。
「え~!本当ですか?で、いくらで?」
「3千円もらえます?僕の責任でやりますんで領収書は切れないけど」
「いいです、いいです、お願いします」
たしか市で回収してもらっても搬出を頼めば3千円以上はかかります。
(地獄に仏や~!捨てる神あれば拾う神ありや~)
と、神様と仏様と関西弁が登場し、気分は浮上。
病院へ向かい、夫に
「人のありがたみがしみました」と話すと、
「その業者も小遣いが稼げて良かったな」とひとごと。
(すべてはあなたが原因なんだけど!!!!!)
夫は体を拭いてもらうつもりでボーっと座っていたけれど
「雨が降りそうなんで帰りますわ」と病院をあとにしました。
空には星が輝いていました。

もうそろそろ終わります。


夫原病人の掃除日誌 その6
翌日、トイレの修理屋さんが来てくれました。
トイレを見るなり
「すいません、これは部品が無くて直せません」
「へっ?」
「これは特殊なタイプなんで普通のじゃ対応できないんです」
(こいつボロうとしている・・・)
このところの夫の言動からすっかり不信感と警戒感が強くなってしまった私。
「じゃあ、どうすればいいんですか?」
「全部取り換えるしか」
「じゃあやってください」

もうこんな便器とはお別れしたいので全部取り換えるのが身のため。
夫のマンションはユニットバスでトイレのタンクの容量を抑えるためか斜めにカットされた
妙な形です。
築25年で当時はバブル。相当豪奢な建物だったらしく屋上でライオンさんが雄たけびを上げています。
トイレの全取り換えは12、3万。
夫はあと一年半で定年。その後、一人で田舎に帰ると言っています。
このマンションは狭いけれど、都内まで電車で5分、六本木ヒルズや東京スカイツリー、
そして私の愛する富士山が眺望できる絶好の立地条件です。
娘は今住んでいるマンションを離れたくないと言っていて、彼氏も「お婿に入りたい」と
言うほど、私と娘の住む地域が大好きなのです。
いづれ今のマンションを娘夫婦に譲り、私はこのワンルームに住むと言う青写真もぼんやりと出来ていました。
それにはペットが飼えるのが絶対条件です。どうだったかなぁ。
夫とペットは無縁なので全然考えずにきました。
急いで夫にメールをしました。
「あなたのマンションはペット可ですか?」
すぐに返事が来ました。
「大丈夫だろ」
いつも断言することのない夫の、なぜかこの時は言葉を信じてしまったのです。
(やった!)
いづれ自分が住む部屋、頑張って掃除した甲斐があった。
猫たちと住めるなら狭くても何でもいい。
「トイレとお風呂、洗面ボール、全部取り換えてください」
もう目の前がぱっと明るくなって先行投資をしたくなりました。
業者さんが言うにはユニットバスの全取り換えは80万位。
それをやるなら台所のかさ上げをして配管を通し、洗濯機も置ける工事をサービスしてくれるとこのこと。
(洗濯機が置ける!ちゃんと生活ができる)
「じゃあ、キッチンもIHにして全部取り換えてください」
業者さんはびっくり。
「今、カタログ持って来ます」と言って会社に帰って行きました。
その後、業者さんと工事について煮詰め、もう気分はるんるん!古い!

そして夫の待つ病院へ。
冴えない夫の顔を見ても今日は滅入らない。
もう一度念のため夫に聞きました。
「ペットは大丈夫ですよね?」
「あぁ、大丈夫だろ?」
(・・・「?」つくの?)
「犬を連れてる人、見たことあります?」
「ないな」
(・・・)
家に帰ってから管理会社に問い合わせてみました。
「ペット不可ですよ」
(・・・・・・・・・・・・・)涙がこぼれました。
大きな仕事がとれてあんなに喜んでいた業者さん・・・。ごめん。私ももうダメです。