週刊 おしゃもじ☆パンチ 
おっとりスコと甘えん坊アメリカンカール。 仲良くおしゃもじのような手で猫パンチをしています。毎週月曜日に更新、4コマ漫画もあります。
悲喜こもごもで
先週の同じ日に娘は友達の結婚式、私はいとこのお通夜でした。
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不思議なことがあったんです。
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「ママのこと、変な人だと思わない人だけ続きを読んでね」






先週、父方のいとこの○夫さんが73歳で亡くなりました。
いとこと言っても23歳年上なので私にとってはおじさんという感覚です。
初めて会ったのは小学生の時でしたが、度がすぎるほど寡黙な人で、
私と姉を可愛がるどころか声をかけてくれることもありませんでした。
お正月と夏休みに遊びに行くといつも不機嫌そうにタバコを吸っているだけでした。
いつしか疎遠になり、30年以上は会うことはありませんでした。

4年前の5月、私の父は急性白血病で他界しましたが口がきけなくなる前日に突然
「○夫はどうした?」と聞いてきました。
父は自分が死んでも決して親戚や知人に知らせてはいけないと遺言状にも
書いていたので私は誰にも知らせずに一人で病室に通っていました。
父と同居していた私の姉は介護も見舞いもしませんでした。
「○夫さんに会いたいの?」私は聞き返しました。
父は
「会いたい会いたくないって聞かれたら会いたい方だなぁ・・・」と答えました。
そのうち熱で頭が混乱してしまったのか
「僕の子供は○ーちゃんと○夫の二人だよね?」と聞いてきました。



その日、家に帰ってから○夫さんに電話をしました。
生まれて初めて○夫さんと口をききました。いとこなのに46年かかりました。
○夫さんは
「おじさんが~?!」と絶句。
その後は(○夫さんて、こんなに喋る人だったんだ)と驚くくらいずっと話をしました。
たぶん電話を切ってから○夫さんも私と初めて口をきいたことに気づいたかも。

翌日、病院に行くと大きなおじいさんが父のそばに立っていました。
見間違えそうなほど私の父にそっくりでした。
「○夫さん?」
「○○○ちゃん?」
最後に会ったのは私が10歳、○夫さんが30代前半の頃。
お互いにすっかり様子が変わっていたのが幸い(?)
昔のどんよりした感情もなく、ずっとずっと話ができました。

この日、父はもう喋ることができませんでした。
「お父さん、○夫さんだよ。わかる?」
父は視点が定まらないながらもたしかに○夫さんを目で捉えていました。
その後、父の意識は無くなりました。


その日から父が他界するまで毎日、○夫さんは見舞いに来てくれました。
実のお母様(父の姉、当時88歳)を自宅で介護しながら。
「老老介護だよ」と笑っていました。

その○夫さんが92歳のお母様より先に亡くなってしまいました。
5月末に「少し調子が悪いので診てもらうわ」と病院に行ってそのまま入院。
闘病期間は約二ヶ月でした。

亡くなって二日後に私に知らせがありました。
○夫さんは病気のことを誰にも知らせないで欲しいと言っていたそうです。
私の父と同じことを言っていたのです。
亡くなってから病室の引き出しに入っていた手帳に
「死んだら知らせて欲しい人リスト」が記してあり、私の名前があったそうです。



お通夜は私一人で行きました。
泣き顔があまりにも不細工なので他の人に見られないよう、控え室の一番前の椅子に座り、
モニターに映し出される家族写真のスライドを見ていました。
昭和の香りのする写真で昔が蘇りました。
稲刈りが終わった田んぼにレジャーシートを敷いてお弁当を食べている写真もありました。
あの頃はディズニーランドなんてなかったけど楽しいことはいっぱいありました。


10年以上前と思われる夫婦旅行の写真が写りました。
「あっ・・・」
デニムのジャケットにGンズ。トップが薄くなった白髪でオールバック。

14年前の母の葬儀の時、その姿を見かけたのです。
母の葬儀は家族と父の姉(○夫さんの母)だけの超ひっそりしたものでした。
その時、会場の外にGンズ姿の男性が隠れるように立っていました。
私はこんな場所にGンズなので斎場の裏方さんかと思いました。
その人は私たちが控え室に移動してから祭壇に近づき、じっと遺影を見つめていました。
(誰なんだろう?何なんだろう?)一瞬よぎってそのことはすぐ忘れてしまいました。


この期に及んで思い出し、判明しました。
私が不審に思った人は○夫さんで母の葬儀に内緒で来てくれていたのでした。
シャイすぎるぜ!○夫さん!

お通夜、お葬式で私はどのくらい泣いたかわかりません。
家に帰ってハンカチを洗濯しようとしたら鼻○チョだらけでびっくりしました。
(汚い顔でごめんなさい。○夫さん)


お葬式の翌朝、リビングで寝ていたはあちゃんが突如、ベランダに向かって突進。
「セミが来たの?」
外を見るとベランダの手すりに2羽の鳩が止まっていました。
このマンションに住んで10年以上経ちますが鳩が来たのは初めてです。
雨の中、どこから飛んできたのでしょう?
すぐに1羽は飛び立ちましたが、もう1羽はじっとそこにいます。
カーテンを開け、窓を開けても逃げません。
「○夫さん?」


母の葬儀の後、当時住んでいたマンション(2階)の真ん前の電線に鳩が止まっていました。
鳩は時々、見かけたけれどそのときは1羽だけずっと、それこそ何時間も止まっていたのです。
私は母が鳩になって様子を見に来たと今でも思い込んでいます。
なのでこの鳩も○夫さんが姿を変えて来てくれたのだと思っています。
あまりにも私の顔がボロボロだったので心配してくれたのかもと。
きっと父が案内したのでしょう。



(あの世でいいコンビになっているかも)
すっと心が軽くなりました。
鳩が来た翌日、晴れたので洗濯を干そうとしてベランダに出ると・・・。
鳩の羽根が一本落ちていました。
ありがとうね。
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