FC2ブログ
週刊 おしゃもじ☆パンチ 
おっとりスコと甘えん坊アメリカンカール。 仲良くおしゃもじのような手で猫パンチをしています。時々、更新しています。
夫原病人の掃除日誌 その6
翌日、トイレの修理屋さんが来てくれました。
トイレを見るなり
「すいません、これは部品が無くて直せません」
「へっ?」
「これは特殊なタイプなんで普通のじゃ対応できないんです」
(こいつボロうとしている・・・)
このところの夫の言動からすっかり不信感と警戒感が強くなってしまった私。
「じゃあ、どうすればいいんですか?」
「全部取り換えるしか」
「じゃあやってください」

もうこんな便器とはお別れしたいので全部取り換えるのが身のため。
夫のマンションはユニットバスでトイレのタンクの容量を抑えるためか斜めにカットされた
妙な形です。
築25年で当時はバブル。相当豪奢な建物だったらしく屋上でライオンさんが雄たけびを上げています。
トイレの全取り換えは12、3万。
夫はあと一年半で定年。その後、一人で田舎に帰ると言っています。
このマンションは狭いけれど、都内まで電車で5分、六本木ヒルズや東京スカイツリー、
そして私の愛する富士山が眺望できる絶好の立地条件です。
娘は今住んでいるマンションを離れたくないと言っていて、彼氏も「お婿に入りたい」と
言うほど、私と娘の住む地域が大好きなのです。
いづれ今のマンションを娘夫婦に譲り、私はこのワンルームに住むと言う青写真もぼんやりと出来ていました。
それにはペットが飼えるのが絶対条件です。どうだったかなぁ。
夫とペットは無縁なので全然考えずにきました。
急いで夫にメールをしました。
「あなたのマンションはペット可ですか?」
すぐに返事が来ました。
「大丈夫だろ」
いつも断言することのない夫の、なぜかこの時は言葉を信じてしまったのです。
(やった!)
いづれ自分が住む部屋、頑張って掃除した甲斐があった。
猫たちと住めるなら狭くても何でもいい。
「トイレとお風呂、洗面ボール、全部取り換えてください」
もう目の前がぱっと明るくなって先行投資をしたくなりました。
業者さんが言うにはユニットバスの全取り換えは80万位。
それをやるなら台所のかさ上げをして配管を通し、洗濯機も置ける工事をサービスしてくれるとこのこと。
(洗濯機が置ける!ちゃんと生活ができる)
「じゃあ、キッチンもIHにして全部取り換えてください」
業者さんはびっくり。
「今、カタログ持って来ます」と言って会社に帰って行きました。
その後、業者さんと工事について煮詰め、もう気分はるんるん!古い!

そして夫の待つ病院へ。
冴えない夫の顔を見ても今日は滅入らない。
もう一度念のため夫に聞きました。
「ペットは大丈夫ですよね?」
「あぁ、大丈夫だろ?」
(・・・「?」つくの?)
「犬を連れてる人、見たことあります?」
「ないな」
(・・・)
家に帰ってから管理会社に問い合わせてみました。
「ペット不可ですよ」
(・・・・・・・・・・・・・)涙がこぼれました。
大きな仕事がとれてあんなに喜んでいた業者さん・・・。ごめん。私ももうダメです。







夫原病人の掃除日誌 その5
やっとの思いでベッドは解体したけれど問題が。
これをどう処分しよう。
夫の住む地域は大きさにかかわらず行政で粗大ゴミを格安で引き取ってくれます。
だけど搬出は自分でしなければなりません。
搬出を頼むとかなりの費用がかかります。
問い合わせてみましたがはっきりとは答えてもらえませんでした。
ベッドの柱は長さが1m50cmくらい。マットの部分の板は一辺が90cmのが2枚。
その他の金属類を含めエレベーターを10回は往復しなければありません。
もう娘に頼むのは忍びなく、一人でやるしかありません。
一番の問題は当日の8時までに搬出すること。前日の夜には出せません。
朝、住人が出かける時間帯に粗大ゴミを持ってエレベーターを何度も使って迷惑にならないか?

その時、廃品回収車が通りました。
(あれに頼むか)
私の住む地域は廃品回収業社が多いのでボラれることはありません。
でもここの地域はどうなのか?ここはちょっと怖い地域なのです。
(明日にしよう)

ここで一つ疑念が。
(まさかトイレ、10年間掃除してないなんてことは・・・)
ユニットバスのドアを開けると
「ぬっ?」 人間が出すのとは違う臭いが。
(まさかね、まさかね?)
恐る恐る便器のふたを開けると
(まさかだ・・・)
10年分のそれがありました。
かたわらに洗剤がありました。それは10年前、私が置いた場所に。
便器の全面にワシャワシャとかけて水を流しました。
全然、落ちない。
当然、ブラシもありません。
(明日にしよう)

そして他の作業に取り掛かりました。
しばらくしてもトイレの水の音が止まりません。
(古い機種だから水を食うんだな)
10分経っても止まりません。
(変だな)
きしむ膝を押さえて立ち上がり便器のふたを開けました。
水は小川のせせらぎのように軽快に流れつづけています。
(やばいわ)
タンクのふたを外すとノズルが栓に戻らずボールが降りたまんま、全く水がたまっていません。
(やばいやばい)
ボールのチェーンを外し、ノズルをまっすぐに直して栓に突っ込み水は止まりました。
(クラシアン呼ばないとだめだな)
「0120-500・・・」と歌いながら固定電話をプッシュしました。
「ツーツーツー」かかりません。
なぜかわからないのですが6ケタまで押すとツーツー言うのです。
(今日はトラブル続きだからもうやめよう)
その足で夫の病院に向かいました。
夫にトイレの話をしました。すると
「あれは『大』を流すと壊れるんだ。俺は『小』しか流さないからいいんだ」と。
「『小』しか流さない生活なんてできませんよね?直すつもりもなかったんですか?」
私は普段から夫には敬語を使っています。
それは尊敬しているわけでなく距離を置きたいからです。
夫は
「『大』は職場でするからいいんだ」となおも言い張ります。
ちょっと待て!
これからしばらく休職し松葉づえ生活なのに家で『大』はしないってどういうこと?
「その考えはおかしいですよ。大をしたい時、松葉づえでコンビニに行くんですか?」
「そうなるだろ?」
(あ~、もうこの人とは話が出来ない)
体が鉛のように重いのですがせっせと体を拭きました。
「あともうひとつ、家の電話、つながらないですよね?」
「そうだな、でも携帯があるから大丈夫だ」
「いえいえ、つながらないならないで私にそう言ってもらわないと、いつかけても
つながらないと曲がりなりにも心配になりますから」
「そんなことないだろ」
(・・・、まあね)

あら?夫は生意気にもスマホに替えていました。
「それauじゃないですか?ドコモから替えたんですか?」
「あぁ、一番安い機種だ」
「じゃあ、毎月NTTに払ってるあの定額料金はなんですか?」
「知らねえ」
夫のマンションの管理費、固定資産税、水道光熱費、通信費などは私が通帳を持って管理しています。
毎月NTTの電話代が5047円かかっているので
私は携帯と固定電話のセット料金かと思っていました。
(おかしい・・・)
家に帰ってからNTTに問い合わせてみました。
夫はフレッツに加入し、それプラスひかり電話と言うコースで定額契約していました。
(フレッツ?そしてつながらない固定電話・・・?)
たしかに夫の部屋のゴミの下からノートパソコンとプリンターが出てきました。
(あぁ・・・、その時に気づけばよかった・・・)
夫はつながってもいないネットと電話のために毎月5047円、払い続けていたのです。
何年も・・・・何年も・・・何年も・・・・
(明日はどんなドッキリガックリが待っているんだろう)
私の心身は相当だめになってきました。

判で押したようにきっちり来ていた生理は止まり、寝ようとしてもめまいがして怖くて頭を下げられません。
もともとストレスがたまると片方の耳の耳石がはがれる良性頭位性めまい症だったのですが、
今回は右を見ても左見ても後ろから頭を引っ張られるようなめまいです。
はぁぁ・・・。

もう少し続く。


夫原病人の掃除日誌 その4
翌日は娘が休みだったので
「お父さんの部屋、きれいになったよ~」と騙して同行させました。
娘は夫が入院する前に一度、食べ物を差し入れに行っています。
その時の部屋の様子を聞いたら
「ドアが閉まっていて部屋は見えなかったけど、玄関はすごかった」と。
あぁ、娘よ。玄関先なんて可愛いもんさ。
部屋はその何倍もすごかったんだよ~。

まずはアレやっちゃいましょう。アレを。
「ねぇねぇ、あなたゴキブリに強かったわよねぇ」
娘はカフェで働いていたのでゴキブリは「毎日こんにちは」でした。
「強くはないけど、やれと言われればやるよ」
だけど騙して連れて来ていきなりゴキブリはかわいそうなので私がやることにしました。
ゴキブリの上にティッシュを十枚位も乗せ、雑巾を乗せ、ビニール袋を手につかみました。
手ごたえも何もないままビニール袋をひっくり返すと
「んぎゃ~!!!!!!!!頭~!!!!!!!」
ゴキブリは胴体と頭が割れて、小さな頭の先だけが床に残っていました。
「お母さんは胴体担当、あなたは頭担当」強引に任命しました。
「うひゃ~!おえ~!んごぉ~!」
どうにか摘み上げ、今いたところにアルコールを吹きかけ任務遂行。
娘は
「おやじ、殺す」とつぶやいていました。

そして今日の本題。
「ベッド、どうするのがいいと思う?」
「処分した方がいいかも」
「ねぇ、二人で壊さない?」
「えっ?!二人で?!」
「じゃあ、いいわ。お母さんが一人でやる」
「いいよ、手伝うよ」
と強引に解体作業に参加させました。
六角レンチを何本も駆使してロフトベッドを崩していきます。
ベッドの柱は金属を木材で覆ってある頑丈な作り。
そしてレンチの穴が錆びついているのでうまくはまりません。
「たしか・・・」
10年前に下駄箱に入れた錆取りスプレーを思い出しました。
「まさかな・・・、あった!」
私が置いた通りのまま1mmも動かずに鎮座していたようです。
錆を落としながらレンチを回し、手がパンパンに汗だくになって解体終了。


その日は疲れすぎて病院に行けず、翌日、夫にそれを話しました。
夫は
「あんなベッドは簡単に壊れるようになってんだよ」と。
(簡単じゃねぇよ・・・)
ボルトの入った夫の足を拭きながら、グーでパンチを入れたくなり、こらえました。
夫原病人の掃除日誌 その3
さて今日はカーペットに掃除機をかけましょう。
6帖一間だからハンディクリーナーで十分でしょう。
と軽い気持ちで始めたら・・・。
全然、吸わない。何で?
あっと言う間にフィルターは目詰まり。
ほんの小さな面積を吸っただけでバッテリーが切れました。
「これじゃ、終わらないわ」
急いでスーパーの家電売り場に行きコード式のガッツリしたクリーナーを買いました。
音はすごいけどどんどん吸ってくれている感じ。
でも全然きれいになってない。
カーペットの表面をよく見るとループした毛の中に白い粉がいっぱい。
10年間、一度も掃除機をかけないカーペットは上から軽い埃、水分をまとった塊の埃、
ほぼダニの糞でできた白い細粒の埃、ガチガチに固まった埃の地層になっていました。
なので掃除機の先のとがったスキマノズルでカーペットをガリガリ逆毛を立てながら前進。
ゴキブリのいる半径10cm四方を残してガリガリのズズズを繰り返していたら
掃除機はキャーキャー悲鳴を上げるようになり、短い一生を終えました。ごめんね。

ふと冷蔵庫が気になりました。
おそらく賞味期限切れのものが入ったままになっているでしょう。
見ると封の切ってない紙パックのドリンクが5本入っていました。
賞味期限は3日過ぎています。
(惜しかったなぁ、中身を流して捨てなきゃ)
パックをもう一度見てヒヤリ。
賞味期限は去年の3日前の日付でした。あぁ、冗談でも飲まなくて良かった。
明日は娘が休みの日。手伝わせちゃおうかな・・・。

まだ続く・・・。と言うか終わらない!


IMGP3573.jpg
片づけ片づけ、ようやく床が見えてきた状態。初めは窓まで歩けませんでした。
夫原病人の掃除日誌 その2
昨日、ゴキブリの死骸に遭遇したけれど、どうしても処理する気になれず、
横目で見ながら片づけ作業開始。
今日は資源ゴミをまとめましょう。
夫のタンスの中や床に散らばっていた服はもう二度と着ることのないであろう物ばかり。
私と知り合った頃に着ていた30年以上も昔の服までとってあります。
夫は今、63歳。
バラの柄のシャツや純白のジーンズ、ヒッピー族のようなベスト(今はジレって言うんでしたっけ?)
それらを着て歩いたら即通報されるでしょう。
(何が楽しくてこんなもん取ってあるんだよ・・・)
それを畳んで重ねて縛っていきます。超汚い衣類と下着は燃えるゴミに回しました。
高さが30cm位の服の束が10個。

次は雑誌類です。
夫は経済誌を通販で定期購読していたようですが、最初の数冊だけ封が開いているだけで
あとはビニール袋に入ったまま山積みに。
このまま捨てるわけにもいかず、ビニールを破いてそれはゴミに、本は縛って資源ゴミに。
9年間、約100冊、7万3千円分の月刊誌が何の役目も果たせずゴミになっていきました。
さて、これらを一階のゴミステーションに捨てに行きましょうと立ち上がった時、ギクっ!
何時間も座り作業をしていたので腰が固まっていました。
ここで私が動けなくなったら一巻の終わり。
そろりそろりと足をするようにして何回もエレベーターで部屋とゴミステーションを往復しました。
「もうダメだ・・・」ここで本日は終了、夫の病院に向かいました。

夫に顛末を話すと
「あの本、捨てちゃったのか?読もうと思ってたのに」
(嘘だろ?おい!)
はらわたは煮えくり返っていましたが、せっせと体を拭いて病院をあとにしました。
今日も夫の汚い汚いパンツを持って。

まだ続く・・・